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呉越 ウ ユエ

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願いをかけて

昨年は祖母が亡くなって初めての年で、初めて身近な人のために紙紮を燃やした。だが、現在販売されている多くの紙紮は高級な住宅などの「高価なもの」が多く、それを見て「これは本当に祖母が望んでいたものなのだろうか」という違和感を強く覚えた。

私にとって、紙紮はとても不思議な存在だ。ただの紙なのに、人はそれに生きる世界を超える力があると信じている。もしかしたら、紙紮の本質は、安価なもので大切な願いを叶えることにあるのかもしれない。

糸のまなざし

私は中国の少数民族であるトン族の出身だ。けれども、小さい頃から自分の民族についてあまり実感がなかった。ある日、偶然となりの民族市場に行ったとき、そこで古い刺繍を見つけた。その衝撃的な美しさに心を打たれ、どうしようもなく好きになった。

刺繍には、動物や花、神話など、昔の人の暮らしが表れている。

この刺繍を見ていると、一針一針の中に前の世代の感情が込められていて、民族とのつながりを感じた。歴史書のような冷たいものではなく、身体的で個人的な表現だからこそ、生き生きとしているのだと思った。

この刺繍の縫い方を図や形として再現してみた。刺繍糸は、世界を見つめるひとつの方法だと思う。

-2024 works

2024年10月までのポートフォリオであり、授業や仕事で制作したポスター、出版書籍のためのイラスト、グラフィックデザイン、イラストレーションデザイン、アニメーションデザイン、UI/UXデザインなど、多様な作品を含んでいる

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